HACCP関連情報

HACCPポイントメモ

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力量と危害の発生

ある惣菜工場で、パッケージのシールが不完全で何件ものクレームが発生してしまいました。
どうしてそうなってしまったのか調べたら、いつもはベテランが入って作業をしているのに、その日に限って、休みなどで経験の少ない人ばかりのグループになってしまったことが原因だと分かりました。
これは「力量」を持った人がその作業工程にいないことで発生したわけです。

力量とは、知識、技術、そして経験です。
そこで、各作業工程に「ベテランが必ず1人入っていること」という規程を作りました。
このシステムを確立するには「力量」のレベルを、例えば「マスター」「準マスター」「スタッフ」というように、3段階にして、登録します。
そして「マスターまたは準マスターが、その製造工程に必ず居なければならない」という規程にします。
最初は各工程での力量レベルを、今までの作業技術から登録します。
その後「スタッフから準マスターになるためには、マスターの推薦が必要」「準マスターがマスターになるためには、マスターと経営者層あるいは工場長などの推薦が必要」といった方法にします。

この「力量システム」で、経験不足による不良品の発生を防ぎます。
ISO22000でも「力量」は重要な事項として審査されます。